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YouTube Mister Clean の動画を、出典つきで深掘りするノートです

「高出力バイクへの取り付けは推奨しません」──Appleが公式に書いたスマホと振動の話

37万回見ていただいた動画の補足です。バイクの振動でiPhoneのカメラの性能が低下するおそれがあることを、Appleが公式文書で案内しています。何がどう壊れるのかをAppleの原文から整理し、動画で扱ったカエディアという会社について、コメント欄の疑問も含めて確認できたことを書きます。

「バイクにスマホを付けていたら、カメラがおかしくなった」

都市伝説のように聞こえますが、違います。Appleが公式文書で注意喚起している現象です。

特定の周波数範囲で振幅が大きい振動 (とりわけ、オートバイの高出力エンジンの振動) を iPhone が受け続けると、カメラシステムの性能が低下するおそれがあります。

動画では、この問題を追い風に伸びた神奈川のバイク用品メーカー「カエディア」を扱いました。この記事では、まずAppleが何をどこまで言っているのかを原文から整理し、そのあとでカエディアという会社について確認できたことを、コメント欄でいちばん多かった疑問への答えも含めて書きます。

Appleの文書には、何が書いてあるのか

該当する文書のタイトルは「オートバイの高出力エンジンなどの振動を受け続けると iPhone のカメラに影響することがある」。Appleサポートの公式ページです。

影響を受ける場所として挙げられているのは、2つの部品です。

1つめが、光学式手ぶれ補正(OIS)。 レンズを動かして手ぶれを打ち消す仕組みです。

2つめが、クローズドループAF。 原文にはこうあります。

クローズドループ AF では、基板上の磁気センサーが重力や振動による影響を測定してレンズの位置を判定するので、ぶれを補正する動きが正確に設定されます。

共通点が見えるでしょうか。どちらも、レンズを「動かして」いる部品です。

写真がぶれないのは、レンズが固定されているからではありません。逆です。細かく動き続けて、ぶれを打ち消している。 そこにエンジンの振動が長時間入り続けると、こうなります。

高振幅の振動を長時間直接受け続けると、これらのシステムの性能が低下し、写真や動画の画質の低下につながるおそれがあります。

OISとクローズドループAFの仕組みの図。レンズは固定されておらず、細かく動かすことで手ぶれを打ち消している。そこにエンジンの振動が長時間加わり続けると、補正とピントの性能が低下するおそれがある
ぶれを消しているのは「動く部品」。動く部品は、揺すられ続けることに弱い部品でもあります

「推奨しません」とまで書いている

この文書で注目すべきは、表現の強さです。

高出力または大排気量のエンジンを搭載したオートバイは、特定の周波数範囲で振幅の大きい振動を生じるため、そうしたオートバイに iPhone を取り付けることは推奨されません。

性能低下の「おそれ」ではなく、取り付け自体を「推奨されません」。 メーカーがここまで書くのは、かなり踏み込んだ表現だといえます。

では、原付やスクーターなら安心かというと、そうでもありません。

原動機付自転車やスクーター、ドローンなど、低排気量のバイクや電気エンジンを搭載したバイクに iPhone を取り付けた場合、振動の振幅は比較的小さくなる場合がありますが、iPhone 本体や OIS/AF システムの損傷のリスクを軽減するため、防振マウントやジンバルの使用をおすすめします。 また、損傷のリスクをさらに回避できるよう、長期にわたる常用は控えた方がよいでしょう。

整理すると、Appleの立場はこうなります。

ひとつ注意したいのは、Appleは「高出力」「大排気量」の具体的な線引き(何cc以上、何ps以上)を示していないことです。自分のバイクがどちら側かは、文書からは判定できません。振動の大きい単気筒・二気筒は排気量にかかわらず慎重に考えたほうがよい、というのが安全側の読み方だと思います。

対象となる機種も文書に明記されています。OISはiPhone 6 Plus・6s Plus・7以降(SE第2・第3世代を含む)、クローズドループAFはiPhone XS以降。つまり、近年のモデルの多くが該当します(ただしiPhone 11以降の超広角カメラなど、OISを搭載しないカメラもあると注記されています)。

「2021年の警告」について

動画では、この警告が出たのを2021年と紹介しました。当時そのように報じられたためですが、現在のApple公式ページの公開日表記は「2023年11月」となっており、初出の日付は文書上では確認できませんでした。 内容は現在も公開されている現行の案内です。

カエディアについて、確認できたこと

動画で扱った「カエディア」の会社概要は、公式サイトに次のように記載されています。

社名は、本拠地である横浜市緑区の区の木「楓(かえで)」と「Dear」を組み合わせたものだと説明されています。

創業から数年で、ECサイトで存在感のある売れ筋ブランドになった、というのが動画の骨子でした。ECサイトのランキング実績は同社自身が掲げているものなので、この記事では「同社の主張」として扱います。

コメント欄から──「日本のメーカーなの?」

この動画には130件を超えるコメントをいただきました。そして、いちばん多くのいいねを集めたのは、称賛ではなく疑義でした。正面から扱います。

いちばん多くのいいね(321件)を集めたのは、「本当に日本のメーカーなのか。海外で作られた製品を売っているだけではないのか」という趣旨の疑問でした。「企画と設計は日本で、製造は海外」という補足コメントも付いています。

この疑問には、カエディア自身の説明で答えられます。 公式サイトのブランド紹介ページに、こうあります。

お客様アンケートやマーケットデータ、バイカーの皆様のお悩みを基に製品を開発。プロが見ても納得できるよう、信頼のおける工場と細部まですり合わせ製品化しております。

つまり、自社で企画・開発し、製造は外部の工場と組んで行う——同社はそのことを隠していません。会社概要の事業内容も「企画・開発・販売」です。設計を自社で行い、製造を協力工場に委ねる形は、家電でもカメラでも広く行われているものづくりの形です。「どこで作るか」と「誰が設計し、品質に責任を持つか」は別の問題——ここが、この疑問へのいちばん誠実な答えだと思います。なお、製造国の明記までは確認できていません。

視聴者コメント

バイク用品は全部カエディアになった。しかも安くて良い物を作る。後、問い合わせ対応が早い。午前送ったメールが午後には返答が来る。

一方で、実際に使い続けている方の評価も多数ありました。「バイク復帰したタイミングで見つけてから使い続けて、知り合いに紹介しまくってた」という声がある一方、「安かろう悪かろうのイメージしかない」というバイク店勤務の方の声もあり、評価は割れています。両方あることを、そのまま載せておきます。

視聴者コメント

デイトナから結構前から売ってたけど、そこまで高くなかったような?

動画では市場を「高価な海外ブランドか、粗悪品か」の2択として描きましたが、デイトナやミノウラ、サインハウスなど、国産の選択肢は以前からあったというご指摘です。その通りだと思います。60秒の尺で単純化した部分であり、「2択しかなかった」は言い過ぎでした。 ここは記事で補正しておきます。

買う前に確認する軸

メーカーの順位付けはしません。Appleの文書から逆算すると、確認すべき軸はこうなります。

いま、手元で確かめられること

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カエディア クイックホールド スマホホルダー

モデルによって対応スマホサイズとマウント径が異なります。振動対策を重視する場合は、防振ユニット(アブソーバー)付きのモデルか、後付けできる構成かを確認してください。

価格・在庫・適合は変わります。購入前に販売ページでご確認ください。

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スマホホルダー用 防振ダンパーユニット

ホルダーとの接続規格(ボール径など)が合わないと取り付けられません。お使いのホルダーのマウント形状を確認してから選んでください。

価格・在庫・適合は変わります。購入前に販売ページでご確認ください。

出典

引用元

  • Apple公式サポート「オートバイの高出力エンジンなどの振動を受け続けると iPhone のカメラに影響することがある」(特定の周波数範囲で振幅が大きい振動をiPhoneが受け続けるとカメラシステムの性能が低下するおそれ/クローズドループAFは基板上の磁気センサーがレンズ位置を判定/高出力または大排気量のオートバイへの取り付けは推奨されません/原付・スクーター等は防振マウントやジンバルの使用をおすすめ・長期の常用は控える/OISはiPhone 6 Plus・6s Plus・7以降、クローズドループAFはiPhone XS以降/ページの公開日表記は2023年11月):support.apple.com
  • 株式会社Kaedear 公式サイト 会社概要(社名/創業2019年1月・設立2020年10月/横浜市緑区/代表取締役 飯沢智博/事業内容:バイク用品の企画・開発・販売/社名の由来):kaedear.com
  • 株式会社Kaedear 公式サイト ブランド紹介(信頼のおける工場と細部まですり合わせ製品化しております/お客様アンケートやマーケットデータを基に製品を開発):kaedear.com

確認できていないこと

  • Appleのこの文書が最初に公開された日付。「2021年」は当時の報道に基づく動画での紹介で、現行ページの表記は2023年11月です
  • カエディア製品の製造国・製造委託先。公式の明記は見つけられませんでした
  • 「ECサイト売上1位」等のランキング実績の第三者による検証。同社の掲げる実績として扱っています

本記事のチェックポイント

  • バイクの振動でiPhoneのカメラの性能が低下するおそれは、Apple公式が案内しています
  • 影響を受けるのはOISとクローズドループAF。どちらも「レンズを動かして」ぶれを消す部品です
  • 高出力・大排気量のバイクへの取り付けは「推奨されません」とまで書かれています
  • 原付・スクーターでも防振マウントの使用が公式に推奨されています
  • カエディアの公式な事業内容は「企画・開発・販売」。製造国の明記は確認できていません
  • 選ぶ軸は、防振機構・自分のバイクの振動・保証とサポートです

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