スーフォアは戻って、VTECは戻らなかった──新型CB400が58PSに届いた別の道筋
2026年8月に発売されたCB400 SUPER FOUR E-Clutchには、HYPER VTECが載っていません。それでも最高出力は歴代でいちばん高い58PS。Hondaのニュースリリースと技術資料から、VTECを積まない新型が何を採用したのか、そして1999年の「初」が何についての初だったのかを確かめます。
「スーフォア、本当に戻ってきたんだ」
2026年7月10日、HondaがCB400 SUPER FOUR E-Clutchを発表しました。発売は8月21日、Honda Dream扱い。2022年10月の生産終了から、およそ4年ぶりの400cc直列4気筒です。
ただ、戻ってこなかったものがあります。HYPER VTECです。新型のニュースリリースにも製品ページの主要諸元にも、可変バルブ制御の記載がありません。
そして奇妙なことに、最高出力は歴代でいちばん高い。新型は58PS/11,500rpm。HYPER VTECを積んでいた最終型が56PS、1999年の初代HYPER VTEC車は53PSでしたから、最高出力だけを見れば、可変バルブを降ろしたモデルがいちばん高いことになります。ただし後述するとおり、ピークトルクは最終型のほうが上です。
この記事では、Hondaのニュースリリースと技術解説資料だけを材料に、その経緯をたどります。ついでに、「1999年、二輪車で初めてのVTEC」という言い方が、どこまで正確なのかも確かめます。これは私自身が動画で使った言い方なので、まずそこから訂正します。
1999年の「初」は、何についての初だったのか
先に結論を書きます。Hondaが「世界初」と書いているのは、VTECそのものではなく、「直押しタイプ」という構造についてです。
1999年2月22日のニュースリリースの原文は、こうです。
新開発の「HYPER VTEC」は、吸・排気効率や燃焼効率の向上を目指し、ホンダ独自のバルブ制御システムであるVTEC技術をさらに進化させたもので、カムがリフターを介してバルブを直に押す「直押しタイプ」としては、量産車世界初の機構である。
「直押しタイプとしては」「量産車」という二重の限定が付いています。可変バルブを積んだ二輪車として初めて、とは書かれていません。
なぜ限定が付いているのかまでは書かれていません。 ただ、16年前に先例があることは確かです。動画のコメント欄でも、この指摘がいちばん多くの支持を集めました。
確かVTECの元祖は初代CBR400FのREVだった気がする。特定の回転数あたりで2バルブから4バルブに切り替わって排気音が甲高く変化する。
同じ趣旨の指摘は、返信を含めて9件ありました。そして、REVがVTECの原点だという点は、Honda自身がそう書いています。
REVは1983年に市販されている
1983年12月16日のニュースリリースで、HondaはCBR400Fを発表しています。搭載されたのがREV(Revolution-modulated Valve control)です。
センサーがエンジン回転数を検知し、2分割されたロッカーアームに内蔵した油圧ピストンが移動することによってロッカーアームが分離・結合を行い4バルブ作動←→2バルブ作動を自動的に切り換える
やっていることは、HYPER VTECと同じ「2バルブと4バルブの切り換え」です。 CBR400Fのエンジンは399cm³で、58PS/12,300rpm。空冷です。
さらに、Hondaのテクノロジー解説ページは、REVをVTEC一族の中に位置づけています。
Honda独創の可変バルブ制御システム「VTEC」の原点とも言えるのが1983年に発表された回転数応答型バルブ休止機構「REV」であった。
同じページの別の箇所では、「1983年に二輪車用として開発された『REV』機構や、そのREVを発展させ4輪車用として世界的にも認知された『VTEC』機構など、ロッカーアームに油圧回路を組み込み可変バルブ制御とするさまざまなVTEC機構」という書き方もしています。Honda自身が、REVをVTEC機構のひとつとして数えているわけです。
ここから言えることは、次の2つに限られます。1983年のCBR400Fには、HondaがVTECの原点と位置づけ、VTEC機構の一種としても数えているREVが積まれていた。 そして、1999年の「世界初」は、直押しタイプの量産車用機構という限定つきの初である。
逆に、「REVこそが二輪初のVTECだ」とHondaが書いているわけでもありません。 別の「初」を立てる根拠は、資料の中にありませんでした。
動画では、直押しタイプという限定を落として紹介してしまいました。 訂正するのはその点です。
なぜ直押しにする必要があったのか
Hondaの技術解説には、開発目標が具体的に書かれています。10,000rpm以上まで動弁系の作動を保証すること。バルブまわりの質量増加を最小限にすること。 中排気量4気筒の最高回転数は13,500rpmに及ぶ、とあります。
ロッカーアームを使う従来のVTECは、部品が増えて動弁系が重くなります。重いものは高回転で追従できない。だからHondaは、切り換え機構をバルブリフターの内側に丸ごと収めました。 コメント欄で「呪文のような」と評されたバルブリフター内完結型のスライドピン機構は、この制約から出てきた答えです。
同ページには「4輪用を含め、ロッカーアームを介さないVTECシステムは、現在この『HYPER VTEC』だけである」ともあります。ただしこの「現在」がいつ時点を指すのかは、ページに明記がありません。
切り換え回転数は、性能の最適点ではなかった
ここがいちばん面白いところです。
初代HYPER VTECの切り換えは6,750rpm。この数字の決め方について、Hondaは意外な説明を残しています。
バルブ数の切り換えは低中速域での力強さと高速域での高出力、そして環境性能を両立させるためにHYPER VTECでは6,750rpmに設定。これはまた2バルブで運転中のトルクカーブと4バルブで運転中のトルクカーブの交点より高いエンジン回転数での切り換えとなっているため、走行中の加速度変化をより大きくライダーが体感できることにつながっている。
体で何が起きるかに翻訳します。2バルブと4バルブのトルクカーブが交わる点、つまり「4バルブに切り換えたほうが得になる回転数」は、6,750rpmより下にあります。にもかかわらず、Hondaはわざと交点より高い回転数まで2バルブを引っ張った。
交点で切り換えれば、2つのカーブがつながって段差は出ません。交点より高い回転数で切り換えるからこそ、切り換わった瞬間に落差が生まれます。そしてHondaは、その落差を「ライダーが体感できることにつながっている」と、利点として書いています。あの「豹変」は、性能を追い込んだ末に出てしまった副作用ではなく、Honda自身が効用として説明しているものでした。
ただし、「体感させることが目的で切り換え点を決めた」とまでは書かれていません。 原文は、環境性能との両立のために6,750rpmに設定し、その結果として体感につながっている、という順序で書かれています。
もうひとつ、地味ですが効いている設計があります。500rpmのヒステリシスです。
エンジン回転数の上昇側と下降側の切り換え回転数は、スライドピンのハンチングを防ぐために、500rpmのヒステリシスを持たせている。
切り換え点ちょうどで巡航していると、2バルブと4バルブを行ったり来たりしてしまう。上がるときと下がるときで切り換え回転数をずらしておけば、境目に居座っても往復しない。 サーモスタットと同じ考え方です。
世代ごとに、切り換え点は下げられていった
初代の6,750rpmは、高すぎたとHonda自身が振り返っています。
とくにビギナーでは、6,700回転域からの4バルブ領域を充分に使いこなせていないという声もあった。
2002年1月のSPEC IIで6,300rpmへ引き下げ。2003年12月のSPEC IIIでは、6速だけ6,750rpmに戻し、高速巡航の燃費を取りに行きました。
2007年12月のRevoでは、スロットル開度が判断材料に加わります。1〜5速では、6,300rpmを超えてもスロットルを開けていなければ6,750rpmまで2バルブのまま。開ければ即座に4バルブ。回転数だけでなく、ライダーが今どうしたいのかを読むようになった世代です。
ここで、コメント欄の指摘を引いておきます。
VTECの恩恵は高回転域じゃなく低回転域。切り替わりの機構がないだけで4バルブなのは他のライバル勢も一緒。
この指摘は、Hondaの説明と整合します。 高回転で4バルブになった状態は、ふつうの4バルブエンジンと同じです。バルブの休止が直接効いているのは、2バルブで走っている低中回転域のほう。Hondaの説明でも、2バルブ側の狙いは吸気流速を上げてスワール(渦)を作ること、そして混合気の吹き抜けを減らすこととされています。
ただし、高回転側が据え置きというわけでもありません。 Hondaは、HYPER VTEC搭載エンジンについて「低中速域の出力が向上し、かつ高速域に適した吸・排気系の設計により高速域でも出力の向上が図られている」と書いています。高回転側の上積みは、バルブの切り換えではなく吸排気系の設計によるものとして説明されている、という整理になります。
数字も残っています。初代で燃料消費率が6.6%向上(60km/h定地走行テスト値で34.7km/L→37.0km/L)。動弁系のフリクションは4バルブ域では増えるが2バルブ域では従来型より減り、EC40モードで約5.5%の燃費改善に効いた、とあります。走行騒音も1.7〜2.0dB低減。
VTECは、速さのための機構というより、規制とパワーの板挟みを解くための機構でした。
四輪のVTECと、同じ名前で別の機構
コメント欄で2番目に多かったのが、この論点です。返信を含めて9件ありました。要旨はどれも同じで、四輪のVTECとCB400SFのHYPER VTECは、名前が同じでも中身が違うというものです。
これも、そのとおりです。 Hondaの資料で整理すると、こうなります。
| 四輪のDOHC VTEC | 二輪のHYPER VTEC | |
|---|---|---|
| 変えるもの | カムのプロフィールそのもの(バルブタイミングとリフト量) | 作動するバルブの本数(2本⇔4本) |
| 使わないバルブ | なし。全バルブが常に動く | 休止する。動かない |
| 駆動方式 | ロッカーアーム経由 | ロッカーアームなし。カムが直接リフターを押す |
四輪は「同じ4本のバルブを、低速用のカムで動かすか高速用のカムで動かすか」を切り換えます。二輪は「4本のうち2本を寝かせておくか、起こすか」です。やりたいこと(低速も高速も欲しい)は同じでも、手段はまるで違います。
なお、コメント欄には「バルブタイミングもリフト量も変えていないのだからVTECと名乗るのは無理がある」という趣旨の指摘もありました。この点についてはHondaの記述に反論材料があります。技術解説ページには、
常用側、休止側バルブそれぞれに、最適なバルブタイミングを与えるカムプロフィールを設定している
とあります。常に動く側と休む側で、別々のカム形状を与えている。 休んでいた側が起きると、シリンダー全体としての吸排気のタイミングは変わります。個々のバルブのリフト量を変えてはいないが、気筒として見たときのバルブタイミングは変わる——名前の当否はさておき、無内容な命名ではない、というのが資料から読めるところです。
VTECが無くなって、出力は上がった
そして2026年です。新型CB400 SUPER FOUR E-Clutchの主要諸元に、HYPER VTECはありません。歴代を並べます。すべてHondaのニュースリリースおよび公式諸元の数字です。
| 1999年 初代HYPER VTEC | 2007年 Revo | 2019年 最終型 | 2026年 新型 | |
|---|---|---|---|---|
| 型式 | BC-NC39 | EBL-NC42 | 2BL-NC42 | 8BL-NC70 |
| 可変バルブ | HYPER VTEC | HYPER VTEC Revo | HYPER VTEC Revo | なし |
| 最高出力 | 53PS/11,000rpm | 53PS/10,500rpm | 56PS/11,000rpm | 58PS/11,500rpm |
| 最大トルク | 3.9kgf・m/9,500rpm | 3.9kgf・m/9,500rpm | 4.0kgf・m/9,500rpm | 3.9kgf・m/9,750rpm |
| 圧縮比 | 11.3 | 11.3 | 11.3 | 12.3 |
| 車両重量 | 188kg(ABSなし) | 194kg(ABS仕様199kg) | 201kg(ABS標準) | 187kg(ABS標準) |
| 内径×行程 | 55.0×42.0mm | 55.0×42.0mm | 55.0×42.0mm | 55.0×42.0mm |
この表に並べた4世代で、ボアとストロークだけが同じ寸法のままです。 55.0×42.0mm。新型のエンジンは新設計と明記されているので、これは使い回しではなく、400cc直4という枠で、この寸法が選び直され続けているということになります。(1992年の初代CB400SFについては、本記事では諸元を確認していません)
そして、新型は最終型より14kg軽い。 Hondaは製品ページで「先代CB400 SUPER FOURよりも約5.4kg軽量化した直列4気筒エンジン」と書いています。
ただし、重量の比較には条件差があります。 CB400 SUPER FOURにABSが標準装備されたのは2018年11月のモデルからで、1999年の188kgと2007年の194kgはABSを積んでいない状態の数字です。新型の187kgはABS標準の数字なので、1999年の188kgと並べて「1kg軽い」と言うのは、装備が違うもの同士の比較になります。同じ条件で比べられるのは、ABS標準の最終型201kgと新型187kgのほうです。
Honda自身が、先代との比較を書いている
新型の製品ページには、こうあります。
バルブ制御システム「HYPER VTEC Revo」などを搭載した先代を上回る、広い回転域におけるフレキシブルな出力特性を実現した。
可変バルブを積んだ先代を、可変バルブなしで上回ったとHondaが名指しで書いている。ここは正確に読む必要があります。上回ったと書かれているのは「広い回転域におけるフレキシブルな出力特性」であって、個別のピーク値ではありません。
実際、最大トルクは4.0kgf・mから3.9kgf・mへわずかに下がり、発生回転数も9,500rpmから9,750rpmへ上がっています。 ピークトルクだけ見れば、最終型のほうが上です。「全部勝った」わけではないということは、表のとおりです。
では、何がVTECの仕事を引き継いだのか
注意していただきたいのですが、Hondaは「VTECをやめた理由」を公表していません。 ニュースリリースにも製品ページにも、その説明はありません。ですから以下は、新型に載っている技術を読んでの推測です。
リリースに挙がっているのは、スロットルバイワイヤ(TBW)の採用、エンジン各部の低フリクション化、バルブ挟み角の狭角化による高圧縮比化、そして吸気ダクトとファンネルの長さ・径の最適化です。
体感に翻訳すると、こうなります。
- 圧縮比11.3→12.3:同じ混合気からより多くの仕事を取り出す。低回転でのトルクが太る方向に効きます
- バルブ挟み角を狭くする:燃焼室が平たくコンパクトになり、圧縮比を上げやすくなる。上の高圧縮比を成立させるための前提です
- 吸気ダクト2本とファンネル4本を作り分ける:吸気の共鳴を使って、回転域ごとに違う「吸い込みやすさ」を作る。可動部品なしで、可変吸気に近いことを狙う考え方です
- TBW:ライダーのアクセル操作と、実際に開くバルブの角度を切り離す。低回転で開けすぎても穏やかに、回転が乗れば素直に、と味付けを電子的に変えられます
1999年にVTECが機械で解いていた課題に、2026年の新型は圧縮比・吸気の共鳴・電子制御で対応している。 少なくとも、そう読める技術が並んでいます。 コメント欄には、こういう声がありました。
新型にVTECつけてややこしくするより今の技術なら無くても相当なもんができる
可変バルブなしで58PSという結果だけを見れば、この見立てと矛盾しません。 ただし、Hondaがそう判断したかどうかは別の話で、そこは公表されていません。
いま、現物で確かめられること
資料の話が続いたので、手元で確認できることに落とします。
HYPER VTEC搭載車(NC39/NC42)に乗っている方
- 切り換え回転数は世代で違います。 1999年2月発売の初代が6,750rpm、2002年1月のSPEC II以降は1〜5速で6,300rpm。自分の車両がどちらかは、年式と型式(NC39かNC42か)で確認できます
- 音や吹け方の変化で確かめたくなりますが、走行中にタコメーターを注視しないでください。 確かめるなら、交通量のない場所で同乗者に見てもらうか、記録した映像をあとから見返すほうが安全です
- 6速だけ切り換えが遅いのはSPEC III以降の仕様です。故障ではありません
- 切り換え点の前後をゆっくり往復しても、バタつかないはずです。 500rpmのヒステリシスが入っています
- Revo(NC42)では、スロットルを開けなければ6,750rpmまで2バルブのままです。高速の巡航中に回転だけ上げても切り換わらないことがあります
油圧で動く機構であることの意味
スライドピンはエンジンオイルの圧力で動きます。油量・油圧・油温が正常であることが、切り換わりの前提になります。オイル管理を軽く見ない理由がここにあります。整備の話としてコメント欄にも「整備性が良くない」という声がありました。
新型(NC70)に興味がある方
- メーカー希望小売価格は998,800円(税抜908,000円)。1999年の初代HYPER VTEC車は税抜609,000円でしたから、税抜価格どうしで約1.5倍です(消費税率が当時と異なるため、税込での比較にはなりません)
- 販売計画は国内年間4,600台。1999年は8,000台、2007年はシリーズ合計6,000台でした
- Honda Dream扱いです。取り扱い店が限られます
- WMTCモード値は23.1km/L。最終型の21.2km/Lから約9%向上しています
コメント欄から
記事の骨格に入れられなかったものを、まとめて扱います。
「教習車はVTECが効かない」は確認できませんでした
返信を含めて7件、教習車に関する書き込みがありました。VTECが無効にされているという趣旨のものが複数あります。
調べたところ、Honda公式資料では確認できませんでした。 分かったのは次のことです。
2017年11月23日のニュースリリースによれば、CB400 SUPER FOUR(教習車仕様)は型式が違います。 公道用が2BL-NC42なのに対し、教習車仕様は2BL-NC54。エンジン型式は同じNC42Eです。Hondaは「教習車として扱いやすい出力特性としながら」と書いていますが、その中身は説明されていません。
そして意外なことに、届出上の最高出力は落とされていません。
| 公道用(2BL-NC42) | 教習車仕様(2BL-NC54) | |
|---|---|---|
| 最高出力 | 56PS/11,000rpm | 56PS/11,000rpm |
| 最大トルク | 4.0kgf・m/9,500rpm | 4.0kgf・m/9,500rpm |
| シート高 | 755mm | 750mm |
| 前タイヤ | 120/60ZR17 | 110/70-17 |
| トレール量 | 90mm | 100mm |
| 車両重量 | 201kg | 198kg(バンパー等装着時207kg) |
出力の数字は同一で、変わっているのは足まわりです。 タイヤは前後とも細くなり、トレール量は10mm増え、シート高は5mm低い。直進安定性を上げて足つきを良くする方向の変更です。
「馬力を落としてある」という説は、少なくとも型式指定申請書の届出値では支持されません。 一方で「VTECの作動を変えている」可能性は、否定も肯定もできませんでした。 Hondaが公表していないためです。ここは確認できていないとだけ書いておきます。
スーフォアとヨンフォアは別の車です
5件、呼称についての指摘がありました。
- CB400 SUPER FOUR=スーフォア(1992年〜)
- CB400FOUR=ヨンフォア(1974年〜)
別の車両です。ちなみに新型のリリースには、「CB400FOUR(1974年)を彷彿とさせる美しい曲線を描く、4-2-1で集合するエキゾーストパイプ」という一文があります。新型スーフォアの排気管は、ヨンフォアを意識してデザインされているとHonda自身が書いているわけで、混同されやすさがまたひとつ増えたことになります。
他社にも可変バルブはありました
5件、スズキのバンディット400(VC=バリアブル・カム)を挙げる指摘がありました。2バルブ⇔4バルブの切り換えではなく、カム側で連続的に特性を変える方式だという説明が添えられています。この記事ではHondaの公式資料だけを材料にしたため、スズキ側の一次資料は確認していません。 別途あたる価値のある題材だと思います。
出典
引用元
- Honda ニュースリリース「力強い走りと環境性能を両立させたロードスポーツバイクニュー「ホンダCB400 SUPER FOUR」を発売」(1999年2月22日)— 「直押しタイプとしては、量産車世界初」の原文、NC39主要諸元、燃費34.7→37.0km/L、価格609,000円(税抜)
- Honda ニュースリリース「新設計DOHC・16バルブ・並列4気筒エンジン搭載のスポーツバイク「ホンダ・CBR400F」を発売」(1983年12月16日)— REVの動作説明、399cm³・58PS/12,300rpm
- Honda テクノロジー「エンジンテクノロジー HYPER VTEC 技術解説」— REVをVTECの原点とする記述、直押しタイプの開発目標、スライドピン機構、6,750rpm設定の理由、500rpmヒステリシス、SPEC II/III、フリクションと騒音の数値
- Honda ニュースリリース「環境性能と俊敏な走りを両立させたロードスポーツバイク「CB400 SUPER FOUR」と「CB400 SUPER BOL D'OR」を発売」(2007年12月18日)— HYPER VTEC Revoのスロットル開度制御、NC42主要諸元
- Honda ニュースリリース「普通自動二輪教習車「CB400 SUPER FOUR(教習車仕様)」に法規対応を施して発売」(2017年11月23日)— 教習車仕様2BL-NC54の主要諸元
- Honda ニュースリリース「「CB400 SUPER FOUR」と「CB400 SUPER BOL D'OR」のタイプ設定とカラーバリエーションを変更して発売」(2018年11月19日)— CB400 SUPER FOURへのABS標準装備
- Honda公式サイト「スペック・サイズ|CB400」(2019年12月発表・2022年10月生産終了モデル)— 最終型2BL-NC42の諸元
- Honda ニュースリリース「直列4気筒エンジンを搭載したネイキッドロードスポーツモデル「CB400 SUPER FOUR E-Clutch」を発売」(2026年7月10日)— 新型8BL-NC70の諸元、価格、販売計画、TBW・低フリクション化・バルブ挟み角の狭角化の記述
- Honda公式サイト「主な特徴|CB400 SUPER FOUR E-Clutch」— 「HYPER VTEC Revoなどを搭載した先代を上回る」の原文、エンジン約5.4kg軽量化
確認できていないこと
- 新型でHYPER VTECを採用しなかった理由。 Hondaは公表していません。本文の「何が仕事を引き継いだのか」は、リリースに記載された技術からの推測です
- 教習車仕様でHYPER VTECの作動が変更されているかどうか。 Honda公式資料に記述がありません。届出出力は公道用と同一です
- 「ロッカーアームを介さないVTECは現在HYPER VTECだけ」の「現在」がいつを指すか。 技術解説ページに時点の明記がありません
- 新型(NC70)の使用燃料(レギュラーかハイオクか)。 圧縮比が12.3へ上がっていますが、新型の使用燃料をHonda公式資料で確認できていません。購入前にご自身で確認してください
- スズキ バンディット400のVC機構。 本記事ではスズキの一次資料を確認していません
- 生産終了の理由として広く報じられている令和2年(平成32年)排出ガス規制への対応について、本記事ではHondaの生産終了に関するリリース原文を確認していません
本記事のチェックポイント
- Hondaが1999年に「世界初」と書いたのは直押しタイプの量産車としての初。可変バルブを積んだ二輪車としては、1983年のCBR400F(REV)が先にある
- 初代の切り換え点6,750rpmは2バルブと4バルブのトルクカーブの交点より高いところに置かれている。その結果として加速度変化を体感できる、とHonda自身が書いている
- VTECの本題は高回転ではなく低中回転域。燃費6.6%向上、騒音1.7〜2.0dB低減という規制対応の側面が大きい
- 2026年の新型は可変バルブなしで58PS。ただしピークトルクは最終型を下回る。Hondaが「上回る」と書いたのは出力特性の幅であって、ピーク値ではない
- 新型を選ぶかどうかは「VTECの有無」ではなく、あの段差のある切り換わりを味として求めるかどうかで分かれるはずです
