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バイクの技術と歴史を、一次情報にあたって確かめる記事を書いています

ホンダのフレックス二輪は、エタノール濃度を測っていない──4つの引き出しと、2つのランプ

ガソリンとエタノールをどんな割合で混ぜても走るバイクを、ホンダが2009年にブラジルで発売しました。四輪は濃度の値を推定しますが、この二輪はそれをやめて、あらかじめ用意した4つの制御セットから選ぶ方式を採っています。本田技術研究所の論文から仕組みを整理し、日本のガソリンの上限が3体積%であること、その上限を引き上げる計画と、すでに国内で発売されているE10対応の二輪車まで確かめます。

「今日は財布が寂しいから、安いほうを多めに入れておこう」

燃料を、その日の気分で混ぜる。日本では成り立たない話ですが、それができるバイクが実際に売られています。 ホンダが2009年3月中旬にブラジルで発売したCG150 TITAN MIX。価格は6,340レアルから、年間20万台の販売計画。ホンダ自身が「二輪車として世界初となる、Honda独自のフレックス・フューエル技術」と書いたモデルです。

先に、この記事でいちばん言いたいことを書きます。このバイクは、燃料のエタノール濃度を「測って」いません。

四輪のフレックス車は、濃度の値そのものを推定します。 ところがホンダは、二輪ではその方法を採りませんでした。代わりに、エンジンの制御一式を4通り用意しておいて、そのどれかを選ぶという作りにしています。本田技術研究所の論文に、そう書かれています。

そして先に訂正します。 私は動画で「排ガスの酸素濃度から燃料の混合比率を逆算し、瞬時に最適な燃料噴射マップへ切り替える」と紹介しました。

しかも、これは走っているあいだの話です。論文は続けて、「選択された最新の制御グループは、常にECMに記憶されて、次回のエンジン始動、暖機運転において最初に選択される」とも書いています。給油した直後にエンジンをかけるときは、前回走ったときのグループから始まるということです。

エタノールは、寒い朝にかからない

まず、なぜ「混ぜて走る」が難しいのか。論文が載せている数字が、そのまま答えになっています。

同じ論文の表には、ガソリンとエタノールの性質が並べてあります。

ガソリンエタノール
沸点25〜200℃78℃
引火点−30℃未満13℃
理論空燃比14.69.0
オクタン価(RON/MON)93/81110/92

沸点の欄を見てください。 ガソリンは25℃から沸き始めます。いろいろな成分の混合物なので、軽いものからどんどん気体になっていく。一方、エタノールは78℃です。

もちろん、沸点より低い温度でもものは蒸発します。 ただ、エンジンをかける瞬間に燃えているのは気体になった燃料なので、冷えているときにどれだけ気体を作れるかで差が出ます。

そして論文には、実測がそのまま載っていました。

エタノール100%では気温が15℃を下回ると、エンジンの始動性が急激に低下し、5℃を下回るとエンジン始動ができなくなる.

15℃で怪しくなり、5℃で止まる。 日本の冬なら、毎朝その温度です。

一方で、論文は救いも書いています。

燃料中のエタノール濃度が 90%以下,すなわち,ガソリン濃度が 10%を超えていれば,エンジン始動性能は許容レベルである

ガソリンが1割入っていれば足りる。 この1割が、のちのちランプの意味につながります。

理論空燃比の欄も効いてきます。 表の値で比べると、同じ量の空気に対して必要なエタノールの質量は、ガソリンの約1.62倍です(14.6 ÷ 9.0)。混ぜ具合が変われば、吹く量を変えないといけないということです。ただしこれは質量の比であって、給油する体積や噴射時間をそのまま1.62倍にするという意味ではありません。 表の9.0は純粋なエタノールの値で、ブラジルで売られている含水エタノールはまた別の値になります。

四輪がどう解決したかは、日本の研究者がブラジルで直接聞き取った記録に残っています。『赤門マネジメント・レビュー』に載った現地調査の報告「ものづくり紀行」が、トヨタのブラジル拠点を訪ねてこう書いています。

低温でのエンジンスタート問題を解決するために、メインの燃料タンク以外に、サブタンクを入れる

小さなガソリンのタンクをもう1つ積んでおいて、始動のときだけそこから吹く。 四輪では、これが一般的なやり方でした。

二輪には、それを積むのが難しい

本田技術研究所の論文「フレキシブル・フューエルモータサイクルの開発」(Honda R&D Technical Review Vol.21 No.2・2009年10月)の要旨に、課題がそのまま書かれています。

Flexible-fuel vehicles (FFVs) are generally provided with gasoline sub-tanks and fuel injection systems to supply gasoline to enable engine start at low temperatures, but fitting this type of additional equipment in a small motorcycle represents a challenge.

小型二輪にその装備を積むのは「challenge(課題)」だ、という書き方です。「不可能」とは書いていません。 そして続きが、この記事の本題です。

The use of a control logic that judges the ethanol concentration range of the fuel and an indicator that recommends supply of gasoline when the concentration range is not optimal for low-temperature engine starts in the Mix Fuel Injection System (中略) has enabled the realization of a simple system configuration that does away with the gasoline sub-tank.

濃度の「範囲」を判定する制御と、ガソリンの給油を勧めるインジケーター。 この2つで、サブタンクをまるごと省いた。

引き出しを4つ用意しておく

四輪フレックス車と二輪Mix Fuel Injectionの低温始動対策の比較図。四輪はメインタンクとは別に始動用ガソリンのサブタンクと噴射装置を持つ。二輪はサブタンクを持たず、O2センサーの信号から4つの制御グループのどれかを選び、MIXとALCの2つのランプでライダーに給油を促す
四輪は「もう1つタンクを積む」で解決しました。二輪は、それを積まずに済ませる方法を探しています

論文の図10には「Schematic diagrams of four control groups」という題が付いています。 グループ1つぶんの中身として並んでいるのは、この5つです。

この一式が、4つぶん用意されています。 濃度を測って計算するのではなく、4つの引き出しのどれかを開けるという作りです。

それぞれの引き出しが受け持つ濃度は、図12と図18に書かれています。

受け持つエタノール濃度
グループ10〜40%
グループ230〜70%
グループ360〜90%
グループ480〜100%

数字が重なっているのに気づいたでしょうか。 40と30、70と60、90と80。わざと重ねてあります。 境目をきっちり分けてしまうと、ちょうど境目あたりの濃度で、引き出しが行ったり来たりしてしまうからです。

どの引き出しを開けるかを決めているのが、O2センサーです。

ここは、四輪と二輪の違いがいちばんはっきり出るところなので、ていねいに分けます。論文の図8は四輪(FFV)の概念図で、酸素センサの出力によるO2フィードバック制御の結果からエタノール濃度を推定し、基本の噴射量マップに濃度補正値(Ket)を掛ける、という流れです。動画で私が「混合比率を逆算し」と言ったのは、こちらのやり方でした。

二輪の図は、図14のほうです。こちらは「O2 feedback」「O2 sensor」から「ECM」へ入り、「Judgement control map」を経てグループ4・3・2・1のどれかへ分かれ、「Fuel injector」へつながります。同じO2センサーを使いながら、その結果を「濃度の値」に変えるか「グループの選択」に使うかが違うわけです。

なぜ二輪では濃度を推定する方式を採らなかったのか。 論文は、二輪車のエンジンには大きなバルブオーバーラップがあり、サージタンクを持たない吸気系であることを挙げて、こう書いています。

運転条件によらず燃料のエタノール濃度に応じて決まる一つの倍率で調整して燃料噴射量を決定するというシンプルな制御方法では,適正な燃料噴射量を供給できないという問題があることが分かった.

「濃度が分かれば倍率が決まる」が、二輪では成り立たなかった。 だから、濃度という数字を出さずに、結果だけで合わせにいく方式を選んだ——というのが、この4つの引き出しの理由です。

ランプは2つあります

では、サブタンクの代わりを務める「インジケーター」とは何か。1個のランプではありませんでした。

論文の図17は「Location of alcohol indicator」、図18は「Indicator functions」。そこに並んでいるのは、「MIX」と「ALC」という2つのランプです。メーターパネルに置かれています。

動き方は、こうです。

点き方は、走っているあいだに選ばれたグループにそのまま連動します。 論文はこう書いています。

ランプの点灯動作は,運転中における燃料噴射制御のマップ切替え制御の結果選択された制御グループに連動しておこなわれる.

4つのケースが用意されています。

ランプの状態論文の説明
どちらも消灯(グループ1・2)エタノール濃度が0〜70%。低温でも始動性が良好な状態
「MIX」が点灯(グループ3)濃度60〜90%。低温時に始動性が低下する可能性。気温が低下する時期は、給油時にガソリンを約10%以上追加給油することが必要
「ALC」が点灯(グループ4)濃度80%以上。低温時に始動性が極端に低下。気温が低下する可能性のある時期には、ガソリンを約20%以上追加給油することが必要
「ALC」が点滅(始動前)濃度80%以上で、気温が15℃を下回っている。既に始動が困難になっている可能性がある

先ほどの「ガソリンが1割入っていれば足りる」が、ここで効いています。 MIXが点いたら1割、ALCが点いたら2割。 数字にちゃんと根拠があります。

装置で解決する代わりに、人に言う。 私はここが、いちばん二輪らしい解き方だと思います。

省いたのはサブタンク。燃料系には、むしろ足しています

ただし、「部品が減った」わけではありません。 省けたのは始動用サブタンク一式で、燃料の通り道そのものには、かなり手が入っています。

ブラジルのエタノールには、水が入っています。 論文いわく「含水エタノールであり7%前後の水が含まれている」。その影響をいちばん受けるのが燃料ポンプで、ガソリン専用のポンプをエタノール燃料で使うと、金属部品が腐食して錆が出て、動かなくなるケースが確認されたと書かれています。対策として、ポンプの各金属部位に防錆処理をしています。

インジェクターも変わりました。 同じ排気量でも最大で必要な燃料の流量が増えるため、流量レンジを大きく設定。24ミリ秒あたりの流量は、ガソリン仕様の52.5mm³に対してMIX仕様は61.2mm³。対応する燃料も「E20〜E25」から「E20〜E100」へ広がっています。構造は同じままで、材質と表面処理を変えて耐腐食性を上げたとあります。

そして、外から見て分かる変化が1つだけあります。

外観上の変化点はメータパネル,サイドカバー内にある交換式2次フューエルフィルタである.

フィルターが増えています。 理由も書かれていて、エタノールが入るとダストがより細かく分散し、フィルターの目詰まりを早める。実際、既存のフィルターはエタノール中では、ガソリンに対して約三倍早く詰まるそうです。その対応として、大容量の交換式フィルターを追加で設置しました。

つまり、こういうことです。 タンクをもう1つ積むのはやめた。 代わりに、ポンプを錆びにくくし、インジェクターの流量を広げ、フィルターを1つ足して、ランプで人に知らせることにした。 「減らした」のではなく、置き換えたほうが正確でした。

「シェア80%」は、このバイクの数字ではありません

ここも訂正します。私は動画の概要欄で「ブラジル市場でシェア80%を達成する爆発的ヒット」と書きました。 これはホンダのブラジル二輪事業全体の数字と、この1モデルの成績を混ぜてしまったものです。

先ほどの「ものづくり紀行」には、こうあります。

2009 年のシェアをみるとホンダは 75.4%、ヤマハが 12.2%、スズキが 5.3%で、この上位 3 社のシェアは 90%を超えている

75.4%は、ホンダというメーカーがブラジルの二輪市場で持っていたシェアです。TITAN MIXが発売されたのと同じ2009年の数字ですが、この1台が獲ったシェアではありません。 そしてホンダは、1976年からマナウスに工場を持っています。 このシェアは、フレックス燃料車が出るずっと前から積み上がっていたものです。

TITAN MIXが実際に何台売れたのかを示す資料は、私は見つけられませんでした。 ホンダのリリースにある20万台は、年間の販売計画であって実績ではありません。

ブラジルのガソリンには、いま32%のエタノールが入っています

なぜブラジルだったのか。答えは、スタンドに並んでいるノズルの側にあります。

「ものづくり紀行」は、調査当時(2011年夏)のブラジルについてこう書いています。

現在ブラジルで売っている自動車用の燃料の種類には二つあって、25%のエタノールを混合した「E25」とエタノール燃料 100%の「E100」がある。ブラジルでは 100%のガソリンは売っていない

純粋なガソリンという選択肢が、そもそも売られていない。

ここで1つ、用語を正確にしておきます。 「E100」は、エタノールの純度が100%という意味ではありません。 ホンダの論文が一貫して「hydrated ethanol(含水エタノール)」と書いているとおり、水を含んだエタノール燃料の呼び名です。論文の図11・図12の横軸も「Hydrated ethanol (%)」になっています。

そして混合率は、その後も上がり続けています。経済産業省の資料は「2025年9月よりE27→E30に混合義務率を強化」「E100利用も併用」と整理しています。

さらに直近です。ブラジルのエネルギー政策審議会(CNPE)の決議第9号/2026により、2026年8月1日から、一般のガソリンのエタノール混合義務が32%(E32)に引き上げられました。 期間は180日間で、同じ期間に限り1回だけ延長できます。プレミアムガソリンは25%のままです。

つまりブラジルのライダーは、32%入りのガソリンと、含水エタノール燃料という、まったく別物の2種類を前にして給油しています。「どちらを入れてもいい」は、贅沢ではなく必要でした。コメント欄にも、そこを押さえた書き込みがありました。

視聴者コメント

ブラジルは、エタノール燃料とガソリンと混合の3種類が販売されてる。 地域よってスタンドに偏りがあるから、どこでも使えるのは重宝された。

日本のガソリンは、エタノール3体積%までと決まっています

ガソリンへのエタノール混合率の比較図。日本の一般のガソリンの強制規格は3体積パーセント以下、E10対応車用は10体積パーセント以下、ブラジルの一般ガソリンは32パーセント。ブラジルではこれとは別に含水エタノール燃料が併売されている
同じ「ガソリン」という言葉でも、国によって中身の上限が違います。日本の3%は、法律で決められた上限です

日本で「適当に混ぜる」ができないのは、まず、売られている燃料の規格が違うからです。そしてもう1つ、自分の車両がその燃料に対応しているかという問題があります。確かめるのは、その2つです。

資源エネルギー庁の資料によれば、揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)が定める一般のガソリンの強制規格には、こう並んでいます。

ただし、これで全部ではありません。 E10対応ガソリン車の燃料として売る場合には、エタノール10体積%以下・含酸素率3.7質量%以下という別の規格が定められています(2012年4月1日施行)。3%は、一般のガソリンの上限であって、日本の上限が一律に3%という意味ではありません。

コメント欄には「灯油でも走るのか」「軽油は」「ディーゼルでは」といった書き込みが13件ありました。灯油の4体積%以下は、混ぜてよい量ではありません。 これは混ざってしまっていないかを確かめるための上限で、分類も「エンジントラブル防止」です。自分で灯油を入れる話ではないので、そこだけは誤解のないように書いておきます。

ここでもう1つ補っておきます。 「日本のガソリンにはバイオ燃料がまったく入っていない」わけではありません。 日本では、エタノールをそのまま混ぜる代わりに、エタノールから作った「ETBE」という別の物質にしてから混ぜるやり方が採られてきました。国土交通省の資料も「バイオエタノールと石油系ガスのイソブテンから合成したエチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)を E10 の含酸素率3.7%と同等値となるようガソリンに混合させた ETBE22 も同様に使用することができます」と書いています。

そして、この規格が2003年に厳しくなった理由も、政府の資料に残っています。 資源エネルギー庁の資料は、平成12年(2000年)に高濃度アルコール含有燃料を使用した車両からの火災事故が発生したこと、そして平成15年(2003年)の法改正でエタノールの上限値を3体積%としたことを、製品名とともに記載しています(出典は社団法人日本自動車工業会資料と明記されています)。

同じページには、もう1つの事例も載っています。 ガソリンスタンドで販売された混合ガソリンが、攪拌が不十分だったためにエタノール濃度にばらつきが生じ、販売開始から1日半で販売中止になったという件です。

エタノールを濃くすれば、誰でも幸せになるわけではありません。 受け止める車体の側も、混ぜる側の設備も、対応していなければ事故につながる。 なお本記事では、個々の事故の原因や、企業の責任までは検証していません。

天ぷら油で走るのか

いちばん高評価が多かった書き込みは、これでした。

視聴者コメント

だって、天ぷら油でも走るという伝説を持つ、スーパーカブさんがいるじゃん

そして、この書き込みの返信欄で、すでに答えが出ています。

視聴者コメント

天ぷら油をエンジン潤滑油に入れたという話ですね。ガソリンエンジンの燃料は揮発性が無いと燃焼できないですね。ディーゼルエンジンならワンチャン行けるかもです

この指摘のとおりです。 火花で着火するガソリンエンジンは、燃料が気化していることを前提にしています。 沸点78℃のエタノールですら低温始動に苦労するのですから、常温でほとんど気化しない食用油は、そもそも点火のしようがありません。

一方で、廃食用油を燃料にする話は、制度としてちゃんと存在します。 ただし軽油の側です。品確法の軽油の強制規格には「脂肪酸メチルエステル:5.0質量%以下」という項目があり、これが廃食用油などから作るバイオディーゼル(FAME)のことです。規格の表のどちら側に載っているかが、そのまま答えになっています。

「カブが天ぷら油で走った」という伝説そのものの出どころは、私は確認できませんでした。 同じコメント欄には「バスが天ぷら油で走っていた」という体験談もありましたが、これも軽油側の話として読むのが自然だと思います。

E10は、日本にも来ます

日本のガソリンにも、エタノールを増やす計画があります。資源エネルギー庁が2025年6月10日に示した資料には、こう書かれています。

ガソリンにおいては、2030年度までに、一部地域における直接混合も含めたバイオエタノールの導入拡大を通じて、最大濃度10%の低炭素ガソリンの供給開始を目指す。

2028年度下期目途にエタノール最大濃度10%相当の低炭素ガソリンを小規模・先行的に供給

さらにその先として、「2030年代のできるだけ早期に、乗用車の新車販売におけるE20対応車の比率を100%とすることを目指す」「2040年度から(中略)最大濃度20%の低炭素ガソリンの供給開始を追求する」とあります。

気になったので、この資料25ページを「二輪」「バイク」「オートバイ」で引いてみました。 1度も出てきません。 E20対応車の目標は「乗用車の新車販売における」と限定されています。検討チームの自動車枠に名前が挙がっているのは、日本自動車工業会(トヨタ自動車・日産自動車・マツダ・スズキ)です。

念のため書いておきます。 これは「この資料の中に見当たらない」という話であって、どこにも議論がないという意味ではありません。 私が確認できたのは、2025年6月10日のこの資料と、2025年11月25日の官民協議会の資料(こちらも「二輪」「バイク」の語は0件)の2点だけです。

同じ資料には、既販車についてこうも書かれています。

現状、E10/ETBE22混合ガソリンに対応した車は既に市場に存在(非対応車も存在)。

そして非対応車にE10を入れるとどうなるかは、国土交通省がはっきり書いています。

E10 対応ガソリン車以外の自動車に E10 等の燃料を使用すると、最悪の場合車両火災に至るおそれもある

メーカーの側は、もう動いていました

ここまで書いたところで、自分の前提が古いことに気づきました。

日本のバイクにも、すでにE10対応車があります。

スズキは2026年3月25日、大型二輪車「V-STROM800」および「V-STROM800DE」を、日本国内向けスズキ二輪車初となるE10ガソリン対応車として発売しました。同社のニュースリリースに、そう明記されています。

限定条件は、「日本国内向けスズキ二輪車初」という書き方です。他社を含めて国内初なのかどうかは、このリリースからは言えません。 私は他社の同種の発表を確認できていません。

制度の議論の資料に二輪が出てこないことと、メーカーが何もしていないことは、別の話だったということです。E10がまだ広く売られていない国で、それに対応した車両のほうが先に出ている。 受け止める側の準備には時間がかかるので、順番としてはこれが自然なのだと思います。

ホンダがブラジルでやったのも、この「受け止める側」を作り替える仕事でした。17年前に二輪でそれをやったメーカーがあるという事実は、これから日本で同じ問題を考えるときの、数少ない実績です。

いま、現物で確かめられること

1. 取扱説明書の「燃料」の欄を読む

これがいちばん確実です。 多くの国産車は「無鉛レギュラーガソリン」とだけ書かれています。注目したいのは、その先にエタノール混合について何か書いてあるかどうかです。紙の説明書が手元になくても、メーカーの公式サイトでPDFが公開されていることが多いです。

2. 新車のカタログで「E10対応」を探してみる

スズキのV-STROM800/800DEのように、メーカーが公式に「E10ガソリン対応車」と書いている車両が、すでに国内にあります。販売店に行く機会があれば、いま並んでいる新車の諸元表を見てください。 私が確認できたかぎり、そう書いてある二輪車はまだごく一部です。

ただし、車名だけで判断しないでください。 私が確認できたのは、2026年3月25日に発売された日本国内仕様です。同じ車名でも、過去の年式や海外仕様が同じとは限りません。

3. 給油口のまわりに、ラベルが貼ってあるかを見る

国土交通省の資料には、E10対応車に貼られるラベルの表示例が載っています。文言は「バイオ混合ガソリン対応車(E10/ETBE22)」。同省は「ラベルが貼付されていない E10 対応ガソリン車以外の自動車には E10 等の燃料を給油しないようお願いします」と書いています。

私のコンチネンタルGT650の給油口まわりには、このラベルはありません。 ただし、ラベルが無いことだけを根拠に対応・非対応を決めないでください。 この資料は「自動車」について書かれたもので、二輪車にも同じ運用がされているかを、私は確認できていません。 判断の順番は、取扱説明書とメーカーの公表が先です。

4. ガソリンスタンドの計量機に、燃料の種類表示があるかを見る

いまは「レギュラー」「ハイオク」「軽油」の3つだと思います。資源エネルギー庁の資料には、今後の検討項目として「SSでのE10/E20の誤給油対策検討(SSでの計量器・ノズルの表示等)」が挙がっています。 つまり、いまは表示を増やす前の段階です。 ここに4つ目が並び始めたら、それが日本でE10が動き出した合図になります。

5. ブラジルのTITAN MIXを見分ける

もし現地の写真や動画を見る機会があれば、2か所を見てください。 論文によれば、ベース車との外観上の違いはメーターパネルと、サイドカバーの内側にある交換式2次フューエルフィルターだけです。メーターにMIXとALCの2灯があるかどうかが、そのままフレックス燃料車かどうかの目印になります。車体の見た目は、ほとんど同じです。

コメント欄から

技術そのものより、「そこまでやるのか」という驚きに票が集まっていました。

視聴者コメント

発展途上国の実情を考慮して開発した技術なんだろうが、なにげにすんごい技術だねこれ

そして、コメント欄でいちばん正確だったのは、この書き込みです。

視聴者コメント

冬場にE100では始動できないのがツライところ。 4輪のFFVは別タンクで始動用ガソリンを確保している。

本田技術研究所の論文が書いていることと、ぴたり一致しています。 四輪はサブタンク、二輪はそれを積むのが難しい。この記事の本筋を、2行で先に言い当てていました。

燃料を安いほうに寄せてしまうのでは、という指摘も複数ありました。

視聴者コメント

いつの間にか安い燃料だけになっている現実がありそう

これは、フレックス燃料車の本来の使われ方そのものだと思います。安いほうを選べることが機能なので、そちらに寄るのは想定内です。ただし、ブラジルで実際にどちらがどれだけ使われているかの最新の統計は、私は確認できていません。

四輪の経営方針に関する書き込みも多くありましたが、この記事で扱えるのは燃料の技術と制度の範囲までなので、触れずにおきます。

出典

引用元

  • 本田技研工業 ニュースリリース 2009年3月11日「フレキシブルに燃料選択が可能な二輪車「CG150 TITAN MIX」をブラジルにて発売」(二輪車として世界初となる、Honda独自のフレックス・フューエル技術「Mix Fuel Injectionシステム」を搭載した小型モーターサイクル/3月中旬からブラジルで発売/価格は、6,340レアルから/年間20万台の販売を計画/新開発の燃料供給・噴射制御システムの採用により、環境に優しいバイオエタノールとガソリンをフレキシブルに混ぜて使うことを可能/CO2排出削減につながると同時に、お客様の燃料費用負担の軽減にも貢献):global.honda
  • 國府志朗・伊藤淳・山田広司・堀江秀弥・窪田俊行・高橋陽一(いずれも二輪R&Dセンター)「フレキシブル・フューエルモータサイクルの開発」Honda R&D Technical Review Vol.21 No.2(2009年10月)。要旨(Flexible-fuel vehicles (FFVs) are generally provided with gasoline sub-tanks and fuel injection systems to supply gasoline to enable engine start at low temperatures, but fitting this type of additional equipment in a small motorcycle represents a challenge/a control logic that judges the ethanol concentration range of the fuel/an indicator that recommends supply of gasoline/does away with the gasoline sub-tank/fuel system components were developed considering the characteristics of ethanol)。図表(Fig. 2 Exterior view of engine and oxygen sensor/Fig. 8 Ethanol factor control diagram image of FFV〔ECM・O2 feedback・O2 sensor・Ethanol Factor・Reference injection volume map・Fuel injector〕/Fig. 10 Schematic diagrams of four control groups〔Injection map/Injection timing/Oil temperature, air pressure, air temperature control/Acceleration control/Ignition control〕/Fig. 12 Allocation of respective control groups〔横軸 Hydrated ethanol (%)〕/Fig. 13 Group switchover diagram〔Kref/Tolerance for rich/Center/Tolerance for lean〕/Fig. 14 Judgment control diagram map〔ECM・O2 feedback・O2 sensor・Group control map・Judgement〕/Fig. 17 Location of alcohol indicator/Fig. 18 Indicator functions〔Group 1 = 0-40% ethanol/Group 2 = 30-70%/Group 3 = 60-90%/Group 4 = 80-100%、ALCとMIXの2灯、Add gasoline 10%/Add gasoline 20%/Normal engine start/Blinking/Low temperature〕)。物性表(Boiling point (°C) ガソリン25-200・エタノール78/Flash point (°C) ガソリン −30未満・エタノール13/Stoichiometric air fuel ratio 14.6/9.0/Octan number RON/MON 93/81/110/92/Specific gravity 0.73-0.75/0.79)。本文に「約3分以内に適したグループを選択する迅速さを達成している」旨の記述あり:J-STAGE 全文PDF/本田技術研究所 論文サイトの要旨
  • 徐寧教・新宅純二郎・朴英元・李ウニョン・大木清弘「ものづくり紀行 第五十九回 ブラジルのものづくり」『赤門マネジメント・レビュー』11巻6号(2012年6月)(2009 年のシェアをみるとホンダは 75.4%、ヤマハが 12.2%、スズキが 5.3%で、この上位 3 社のシェアは 90%を超えている〔出所として三嶋(2010)を明記〕/工場は 1976 年に建てられている/現在ブラジルで売っている自動車用の燃料の種類には二つあって、25%のエタノールを混合した「E25」とエタノール燃料 100%の「E100」がある。ブラジルでは 100%のガソリンは売っていない/トヨタについて低温でのエンジンスタート問題を解決するために、メインの燃料タンク以外に、サブタンクを入れる/1970 年代の石油ショックを契機に政府が「国家アルコール計画」を 1975 年に策定):J-STAGE
  • 経済産業省 資源エネルギー庁 資源燃料部・燃料政策企画室「揮発油等の品質の確保等に関する法律の改正について」平成20年11月(ガソリンの強制規格:エタノール 3体積%以下〔エンジントラブル防止〕/含酸素率 1.3質量%以下〔環境(大気汚染防止)〕/メタノール 検出されない/灯油 4体積%以下/ベンゼン 1体積%以下/MTBE 7体積%以下/実在ガム 5mg/100ml以下/鉛 検出されない/色はオレンジ色〔灯油との誤使用防止〕。軽油の強制規格:脂肪酸メチルエステル 5.0質量%以下/トリグリセリド 0.01質量%以下/メタノール 0.01質量%以下。7ページ「バイオ燃料の品質管理の必要性」に、平成12年、高濃度アルコール含有燃料〔製品名を明記。アルコールやエーテル等の含酸素成分がガソリンに高濃度(50%以上)に混合された燃料〕を使用した車両からの火災事故が発生/平成15年の法改正で対応済〔炭化水素油が少しでも入れば品確法の対象とするとともに、エタノールの上限値を3体積%とした〕〔出典:社団法人日本自動車工業会資料より〕/および攪拌が不十分なためにエタノール濃度にばらつきが生じ、販売開始からわずか1日半で販売中止になった混合ガソリンの事例):nitinoki.or.jp 掲載PDF
  • 国土交通省「E10 対応ガソリン車の概要」(2012年3月)(ガソリンにバイオエタノール(さとうきび、とうもろこしなどから製造される植物由来のエタノール)を 10%(体積比)混合した燃料/通常のガソリンよりも自動車の燃料装置の金属・ゴム部品を腐食・劣化させやすい性質があります/ETBE を E10 の含酸素率 3.7%と同等値となるようガソリンに混合させた ETBE22 も同様に使用することができます/E10を使用した場合、通常のガソリンに対して3%程度燃料使用量が増加する/E10 対応ガソリン車以外の自動車に E10 等の燃料を使用すると、最悪の場合車両火災に至るおそれもある/ラベル表示例バイオ混合ガソリン対応車(E10/ETBE22)):mlit.go.jp
  • 経済産業省 資源エネルギー庁 資源・燃料部 燃料供給基盤整備課「ガソリンのバイオエタノール導入拡大に向けたアクションプランについて」2025年6月10日(資料5・全25ページ)(2030年度までに、一部地域における直接混合も含めたバイオエタノールの導入拡大を通じて、最大濃度10%の低炭素ガソリンの供給開始を目指す/2030年代のできるだけ早期に、乗用車の新車販売におけるE20対応車の比率を100%とすることを目指す/2040年度から(中略)最大濃度20%の低炭素ガソリンの供給開始を追求する/2028年度下期目途にエタノール最大濃度10%相当の低炭素ガソリンを小規模・先行的に供給/現状、E10/ETBE22混合ガソリンに対応した車は既に市場に存在(非対応車も存在)/SSでのE10/E20の誤給油対策検討(SSでの計量器・ノズルの表示等)/エタノール自給率:日本0%・ブラジル124%・米国110%/燃料品質・車両規格チームの自動車枠は日本自動車工業会(トヨタ自動車株式会社/日産自動車株式会社/マツダ株式会社/スズキ株式会社)):meti.go.jp
  • 次世代燃料の導入促進に向けた官民協議会「バイオエタノールに関する国内外動向」2025年11月25日(株式会社三菱総合研究所作成・全37ページ)(ブラジル:2025年9月よりE27→E30に混合義務率を強化/E100利用も併用/ブラジルの燃料規格としてANP Resolution No. 988/2025(厳密にはE18~30)/インド:2025年に全国大でのE20義務化目標を達成(2030年目標を前倒し)):meti.go.jp
  • ブラジル国家石油・天然ガス・バイオ燃料庁(ANP)報道発表「E32: gasolina com 32% de etanol passa a valer, temporariamente, a partir de amanhã (1/8)」(Resolução CNPE nº 9/2026/em caráter excepcional e temporário/gasolina C comum e na gasolina C comum aditivada (E32) em todo o território nacional/entra em vigor em 1º de agosto de 2026/terá duração de 180 dias, podendo ser prorrogada uma única vez por igual período/従来値は30%(E30)/O percentual de etanol anidro na gasolina premium permanece em 25%):gov.br/anp
  • スズキ ニュースリリース 2026年3月18日「スズキ、大型二輪車「V-STROM(ブイストローム)800」及び「V-STROM(ブイストローム)800DE」を日本国内向けスズキ二輪車初となるE10ガソリン対応車として発売」(日本国内向けスズキ二輪車初となるE10ガソリン対応車/E10は注釈でバイオエタノールを10%混合したガソリンと説明/3月25日発売/V-STROM800 1,309,000円・V-STROM800DE 1,397,000円〔いずれも消費税10%込み〕):suzuki.co.jp

図版について 本文中の図は2枚とも、仕組みと数値の関係だけを幾何学で描いた自作の図解です。実在の車両・製品の外観は含んでいません。混合率の比較図の数値は、上に挙げた各一次資料の値をそのまま使っています。

論文の読み取りについて 本記事は、J-STAGEで公開されている全文PDFの日本語本文と、英語で書かれた図表の見出し・ラベル・軸の表記を根拠にしています。引用はPDFから抽出したテキストによるもので、図そのもの(配色や点灯の表現)は画像として確認していません。

コメントの集計方法 本文の件数は、2026年9月12日に yt-dlp で取得した当該動画のコメント111件(返信を含む)を対象に、まずキーワードで絞り込み、そのうえで1件ずつ本文を読んで分類したものです。灯油・軽油・ディーゼル等に触れたものは「灯油」「軽油」「ディーゼル」「焼き玉」「溶剤」「アセトン」「トルエン」のいずれかを含む書き込みの和集合で13件です。1件が複数の分類に入ることがあります。 返信を含む件数なので、書き込んだ人の数とは一致しません。 引用の枠に入れたものは原文どおりで、絵文字と改行のみ整えています。

確認できていないこと

  • 動画で紹介した「混合比率を逆算し、瞬時に切り替える」という説明は、2か所とも正確ではありませんでした。 論文が採っているのは濃度の値を直接推定しない方式で、切り替えに要する時間は約3分以内と書かれています
  • インジケーターは1個ではありません。 論文の図17・図18は、「MIX」「ALC」の2つのランプからなるアルコールインジケータを示しています
  • 論文が挙げている燃料系の変更は、燃料ポンプの防錆処理・インジェクターの流量レンジ拡大と材質/表面処理の変更・交換式2次フューエルフィルターの追加です。これで全部かどうかは分かりません
  • 「約3分以内」は走行中の判定について書かれたものです。次回の始動と暖機では、ECMに記憶された最新のグループが最初に選ばれるとあります
  • ランプの点灯は、走行中に選ばれた制御グループに連動します。給油量の目安は、約10%以上または約20%以上と書かれています。何に対する割合かは本文からは特定できませんでした
  • 理論空燃比から計算した「約1.62倍」は、純粋なエタノールとガソリンの質量の比です。給油する体積や噴射時間の倍率ではありません
  • CG150 TITAN MIXの実際の販売台数を示す資料は確認できていません。本文の20万台は年間の販売計画であって実績ではありません
  • 「ブラジル市場でシェア80%」という私の動画概要欄の記述は、ホンダのブラジル二輪事業全体のシェアと1モデルの成績を混同したものです。確認できた数字は、2009年時点のホンダ全体で75.4%というものでした
  • TITAN MIXが現在も販売されているかどうか、およびホンダのブラジル向け二輪のうちどれだけがフレックス燃料対応になったかは確認できていません
  • ブラジルでE30/E32と含水エタノール燃料が実際にどちらがどれだけ使われているかの最新の統計は確認できていません
  • 日本のE10先行導入の対象地域は決まっていません。資源エネルギー庁の資料では「先行導入地域選定」が今後の工程として書かれている段階です
  • 日本のE10/E20の議論に二輪車が含まれているかどうかは、本記事で確認した2点の資料(2025年6月10日/2025年11月25日)に「二輪」「バイク」「オートバイ」の語が0件だった、という事実までしか言えません。他の場で議論されていないという意味ではありません
  • 国内二輪車でE10対応をうたっているのがスズキだけかどうかは確認できていません。スズキのリリースの限定条件は「日本国内向けスズキ二輪車初」であり、他社を含めた初かどうかは、この資料からは言えません
  • V-STROM800/800DEがE10対応のために燃料系のどこをどう変えたかは、スズキのリリースには書かれていません
  • E10対応の給油口ラベルが二輪車にも貼られる運用になっているかは確認できていません。国土交通省の資料は「自動車」について書いたものです
  • 「スーパーカブが天ぷら油で走った」という伝説の出どころは確認できていません

本記事のチェックポイント

  • このバイクは、エタノール濃度を測っていません。 濃度の値を直接推定する四輪の方式をやめ、噴射マップ・噴射時期・点火などを一式にした「制御グループ」を4つ用意して、そのどれかを選ぶ作りです
  • 選ぶ手がかりはO2センサーです。排ガスの酸素の具合を見て、いまのグループが合っているかを判定します。燃料を入れ替えてから約3分以内に適したグループへ移る、と論文にあります
  • サブタンクの代わりは、メーターの2つのランプでした。「MIX」が点けばガソリンを約10%、「ALC」が点けば約20%足す。装置を増やす代わりに、ライダーに情報を渡しています
  • 日本の一般のガソリンは、品確法でエタノール3体積%以下。 ただしE10対応車用には10体積%以下という別の規格があります
  • 日本でも2028年度下期を目途にE10相当の先行導入が予定されています。 制度の資料に二輪の記述は見当たりませんでしたが、スズキはすでにE10対応の二輪車を2026年3月に発売しています

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